迷走の話

この記事はNITKC ProLab Advent Calendar 2020 - Adventarの4日目の記事として15日目に書かれているものです。えぇ…

 

お詫び

 

 アドカレに書くネタが思いつかず10日以上遅れての投稿となります。

 

すまんかった。

 

4つ5つくらいネタは思いついたのですが、途中で書くのをやめてしまい結局今日まで遅れてしまいました。

 

そのネタたちについては気が向いたら後日供養しようと思います。

 

本題

 

というわけで今回も数学の話をしようと思います。

 

今回は先日Misskeyに投稿した問題群について解説をしていけたらなあと思います。

 

というわけで早速問題を見ていきましょう。

 

 2020/10/5\;17:02:27\;出題

 

 \displaystyle\int_0^\frac{\pi}{2} \left(-\frac{1}{x}\right)\sqrt{1+\left(-\frac{1}{x}\right)^2}\cos\left\{\left(-\frac{1}{x}\right)^{-1}+\arctan\left(-\frac{1}{x}\right)\right\}dx

 

 

 2020/10/20\;20:31:29\;出題

 

 \displaystyle\int_3^{x^2+x+1} f(t)dt=x^3(x+1)^3+\alpha 

 (1)\;\alphaを求めよ。

 (2)\;f(t)を求めよ。

 

解きたい方は一旦読むのを中断していただいて構いません。

 

1つ目は三角関数をちゃんと理解しているかが肝要となってくる問題です。

 

2つ目は高専数学では習わない積分方程式の問題となっています。

 

手を実際に動かし考えながら読むことでより実践的な学習ができると思いますので、ぜひお試しください。

 

1つ目の解説

 

 \displaystyle t=-\frac{1}{x}と置きたくなるように作りましたが、恐らく遠回りになってしまうと思います。

 

まずは \arctan xが奇関数、 \cos xが偶関数であることを活用しつつ式を整理していきましょう。

 

 \displaystyle\int_0^\frac{\pi}{2} \left(-\frac{1}{x}\right)\sqrt{1+\left(-\frac{1}{x}\right)^2}\cos\left\{\left(-\frac{1}{x}\right)^{-1}+\arctan\left(-\frac{1}{x}\right)\right\}dx

 

 \displaystyle=\int_0^\frac{\pi}{2} -\frac{1}{x}\sqrt{1+\frac{1}{x^2}}\cos{\left(-x-\arctan{\frac{1}{x}}\right)}dx

 

 \displaystyle=\int_0^\frac{\pi}{2} -\frac{1}{x}\sqrt{1+\frac{1}{x^2}}\cos{\left(x+\arctan{\frac{1}{x}}\right)}dx

 

ここで加法定理より

 

 \displaystyle=\int_0^\frac{\pi}{2} -\frac{1}{x}\sqrt{1+\frac{1}{x^2}}\left(\cos x\cos\arctan\frac{1}{x}-\sin x\sin\arctan\frac{1}{x}\right)dx

 

ここで数学の授業をあまり真面目に聞いてこなかった一部の高専生(チクチク言葉)は死んでしまったのではないかと思います。

 

三角関数についてちゃんと理解してないとsincosの中に逆三角関数が入ったものを処理しきれないからです。

 

それでは \displaystyle\arctan\frac{1}{x}がどのような角度なのかを三角形を使って見ていきましょう。

 

f:id:syaty_48T:20201215123924j:plain

 

このように三角形で図示すれば逆三角関数も処理しやすくなりますね!

 

では引き続き式展開をしていきましょう。

 

上の図より、 \displaystyle\cos\arctan\frac{1}{x}=\frac{x}{\sqrt{1+x^2}}、\sin\arctan\frac{1}{x}=\frac{1}{\sqrt{1+x^2}}なので、さらに式を展開していきます。

 

 \displaystyle=\int_0^\frac{\pi}{2}-\frac{1}{x}\sqrt{1+\frac{1}{x^2}}\left(\frac{x}{\sqrt{1+x^2}}\cos x-\frac{1}{\sqrt{1+x^2}}\sin x\right)dx

 

 積分範囲が 0\le x\le\frac{\pi}{2}であることから x=\sqrt{x^2}となることを活用して、

 

 \displaystyle=\int_0^\frac{\pi}{2}-\frac{1}{x^2}\sqrt{1+x^2}\left(\frac{x}{\sqrt{1+x^2}}\cos x-\frac{1}{\sqrt{1+x^2}}\sin x\right)dx

 

 \displaystyle=\int_0^\frac{\pi}{2}-\frac{1}{x^2}\left(x\cos x-\sin x\right)dx

 

 となります。ここで、 x=0のときに被積分関数がヤバいことになりそうだと気づけるかと思います。

 

なので広義積分を用いましょう。

 

 \displaystyle =\lim_{\varepsilon \to +0}\int_\varepsilon^\frac{\pi}{2}-\frac{1}{x^2}\left(x\cos x-\sin x\right)dx

 

 \displaystyle =\lim_{\varepsilon \to +0}\left[-\frac{\sin x}{x}\right]^\frac{\pi}{2}_\varepsilon

 

 最後の積分に関しては、 \displaystyle\frac{\sin x}{x^2}を部分積分することで \displaystyle\int\frac{\cos x}{x}dxを打ち消すことができます。

 

あとは \displaystyle\lim_{x\to 0}\frac{\sin x}{x}=1より、

 

 \displaystyle =-\left(\frac{2}{\pi}-1\right)=1-\frac{2}{\pi}

 

となります。

 

2つ目の解説

 

まずは簡単な (1)の解説からしていきます。

 

ある積分 \displaystyle\int_a^b f(x)dxについて、 f(x)積分したものを F(x)と置くと \displaystyle F(b)-F(a)となりますよね。

 

ここで a=bのとき、答えが 0となることに注目します。

 

 x^2+x+1=3 xについて解くと、 x=1,-2となるので問題に x=1を代入すると、

 

 0=1^3(1+1)^3+\alpha

 

となります。 (1)の答えは \alpha=-8です。

 

つづいて (2)を解いていきましょう。

 

問題に \displaystyle\int_a^b f(x)dx=F(b)-F(a)を適用すると、

 

 F(x^2+x+1)-F(3)=x^3(x+1)^3-8

 

となります。積分方程式では、積分範囲に変数が入っていなければ積分項をまるまる定数とおいて解きますが、変数が入っている場合は上のような式にもっていってから両辺を微分することで解くことができます。

 

では早速微分していきましょう。合成関数の微分則に注意しながら解いていきます。

 

 (x^2+x+1)'f(x^2+x+1)-3'f(3)=6x^5+15x^4+12x^3+3x^2

 

 (2x+1)f(x^2+x+1)=3(2x^5+5x^4+4x^3+x^2)

 

 f(x^2+x+1)=3(x^4+2x^3+x^2)

 

乗数を比較すると、 f(t)は二次関数であると推測できるので f(t)=at^2+bt+cと置いて係数比較を行いましょう。

 

 (2)の答えは f(t)=3(t-1)^2となります。

 

最後に

 

この間スプラトゥーンしてたら味方が途中で放置しだして勝ち試合をふいにされました。

 

迷惑行為をする人は死刑にしてほしいです。

没問の紹介と解説をしたい

まずいですよ!

21:00頃にアドカレに登録して21:30に書き始めています。

実はさっきはてなブログの登録をしました。

f:id:syaty_48T:20201203213236j:plain

幸いにも書くことは決めていたのでなんとか間に合わせたいですね。

本題

実は先月誕生日でした。

それで誕生日に自分の誕生日11/17にちなんだ算数・数学の問題を作って投稿しようと思っていたんですね。

しかしながら、2問しか思いつかないので、あえなく没となってしまいました。

今回はそれの紹介と解説をしたいと思います。

 

というわけで以下の2問が没になった問題です。

 

  (1) 22+ \frac{17}{7}-2 \frac{3}{13} = \frac{2020}{49} \times(11-17 \div ? )

 

 (2) n!の末尾には0が1117個並ぶという。nをすべて求めよ。

 

解いてみたい方は一度ここで読むのを中断していただいて構いません。

 

 (1)は2020/11/17に22になったということでそれに関する要素が盛り込まれた算数の問題ですね。

 

ある数が与えられてその数の階乗の末尾の 0の数を求める問題はよくある問題ですが、 (2)のように末尾の 0の数から数字を求める問題は珍しいんじゃないでしょうか。

 

この辺で22:00時を回ってきました。果たして間に合うのでしょうか…。

 

解説

 

 (1)

左辺がおぞましい形をしていますが、まずは右辺に注目してみましょう。

 

 \frac{2020}{49} \times(11-17 \div ? )

 

分子に 2020が入っているのがわかると思います。

 

ということは恐らく左辺にも 2020が入ってくると予想できるのではないかなと思います。

 

さて、では左辺を見てみましょう。

 

 22+ \frac{17}{7}-2 \frac{3}{13}

 

分母が 91になることはわかると思います。また、 22\times91\fallingdotseq2000ということはなんとなくわかると思います。

 

このことから左辺が \frac{2020}{91}になることは実際に計算しなくても予想できますね。

 

 \frac{2020}{91}= \frac{2020}{49} \times(11-17 \div ? )

 

ただし、このテクニックは名門中学入試など答えがきれいになることがある程度担保されていないと使えないことに気をつける必要があります。

 

あとは、ゴリゴリ計算していくだけなので簡単です。

 

答えは \frac{13}{8}になります。

 

要素を盛り込みつつ答えをある程度きれいにするのが大変だった問題でした。

 

なお、晩飯を食べていたので現在時刻は23:00です。まずいですよ!

 

 (2)

この問題ではまず、階乗の末尾の 0の数をどのようにして求めるかを知っておく必要があります。

 

ある数の末尾の 0の数というのは、その数が何回 10で割り切れるかという問題と同値であると言えますね。

 

また、 10で割り切れる回数というのは、その数が素因数として持つ 2の数と 5の数のうち、より小さい方であると言えます。

 

例えば 1500の末尾の数が2つであることは自明ですが、これは 1500=2^2\times3\times5^3であることから 2の乗数 2 5の乗数 3のうちより小さい方、すなわち 2である、というふうに解くことも出来ます。

 

では、 n!ではどうでしょうか。

 

 n! 1から nまでの数の積なので n以下の自然数が因数として持つ 2の数と、 5の数を調べることで解くことが出来ますね。

 

 n以下の自然数のうち、 aを因数に持つ数がいくつあるのかは \lfloor\frac{n}{a}\rfloorで求めることが出来ます。

 

ここで \lfloor x\rfloor床関数と呼ばれる関数で x以下で最も大きい整数を返す関数です。

 

例えば 100以下の数で 7を因数として持つ数は \lfloor\frac{100}{7}\rfloor=13個となります。

 

これで、 n! 2 5を因数としていくつ持っているかがわかりますね!

 

というのは実は罠です。

 

なぜなら n以下の数には 2^2 5^3を因数に含む数がある可能性もあるからです。

 

よって、 n!が因数 aをいくつ持っているかを調べるには、 n a^2を因数に持つ数や、 a^3を因数に持つ数も調べる必要があります。

 

したがって、 n!が因数として持つ aの数は以下の式で求めることが出来ます。

 

 \sum_{i=1}^{\infty} \lfloor\frac{n}{a^i}\rfloor

 

さて、これで n!の末尾の 0の数を求める式を導けました。

 

 \min\{\sum_{i=1}^{\infty} \lfloor\frac{n}{2^i}\rfloor,\sum_{i=1}^{\infty} \lfloor\frac{n}{5^i}\rfloor\}

 

また冷静に考えれば n以下の数で 2で割り切れる数より、 5で割り切れる数のほうが少ないのは自明なので、

 

 \sum_{i=1}^{\infty} \lfloor\frac{n}{5^i}\rfloor

 

とできます。

 

例えば、 100!の末尾の 0の数は \sum_{i=1}^{\infty} \lfloor\frac{100}{5^i}\rfloor =20+4=24とわかりますね。

 

それでは問題を解いていきましょう。

 

今回の問題は末尾の 0の数から nを求める問題となっています。

 

皆さんは nがどのくらいの値になるか想像つきますか?

 

私には付きません…

 

なので式変形をして

 

おおっとここで日付が変わりました!(死)

 

。。。

 

なのでここで式変形をしてnの範囲を絞ってやりましょう。

 

ここでは、 \sum_{i=1}^{\infty}\frac{1}{n^i}=\frac{1}{n-1}を利用して式変形をしていきます。

 

 1117=\sum_{i=1}^{\infty}\lfloor\frac{n}{5^i}\rfloor

 

 \leq\sum_{i=1}^{\infty}\frac{n}{5^i}

 

 =\frac{n}{4}

 

よって n\geq 4468

 

ここまで絞ればあとは実際に 4470あたりで末尾の 0の数を計算すれば少し寄せるだけで答えにたどり着きます。

 

答えは n=4475,4476,4477,4478,4479となります。

 

終わりに

 

時間が余ったらMisskeyに投稿した問題の解説でもしようと思ったんですが、普通に無理でしたね。